フレスコジクレー

フレスコジクレーとは?

ルネッサンス芸術の結晶「フレスコ」の工業化に成功

当社は、ルネッサンス芸術の結晶ともいえるフレスコ「FRESCO」を、① 漆喰のシート化技術・② 顔料系インクジェット技術の二つの最新技術を融合させることで、世界で初めてフレスコの工業化、即ち、インクジェットプリンターでフレスコを再現することが可能になりました。
商品名は『フレスコジクレー』。漆喰をシート状に加工したインクジェット印刷シートです。

漆喰とは?

フレスコジクレーの画質

フレスコジクレーは、デジタル画像データを元にしながら、アナログ的な自然な奥行き感のある画像が得られます。
この画像は、一般のインクジェット用紙のようなインク受像層を持たず、光透過性と独自のテクスチャーを持つ「未硬化の漆喰」に顔料インクが浸透することで生まれます。

フレスコジクレーの画質

フレスコジクレーの画質

フレスコジクレーの表面には、50~300μmの不連続サイズの突起物があります。
従来のインクジェットのメディアは、30μm程度のピクセル各色が折り重なって発色しますが、フレスコジクレーでは、この突起物にインクジェットのインクが着弾して、あたかも不連続サイズの突起物そのものが色を持っているかのように見えます。
その結果、顔料インクのピクセルで色表現されたデジタル感の残る従来のインクジェットメディアの画質と異なり、フレスコジクレーはディテールに拘った油絵の細密画に見られるような自然な奥行き感が表現されます。

デジタル感を抑えた自然な画像

デジタル感を抑えた自然な画像

~グラデーションの表現 (For Example) ~

デジタルを感じる要素のひとつに、微妙に色調が変化してゆく空などのグラデーション表現で、階調の連続性がなくなって、部分的に縞模様が見えてしまう現象があります。フレスコジクレーの場合、不連続サイズの突起物へインクが着弾することから、漆喰のテクスチャーによる「ゆらぎ」の要素が加わり、デジタル感を抑えた自然な画像になるものと考えられます。

フレスコジクレーの画質

フレスコジクレーの画質

フレスコジクレーと一般的なインクジェット用紙とに同じ顔料系インクジェットプリンタで印刷した場合、フレスコジクレーの方がより優れた耐光性を発揮することが分かっています。この原因を探るために印刷前後の表面の元素分析を行った結果、印刷した後、漆喰の炭酸化反応によって顔料インクがCaCO3の薄膜で覆われ、有機物である顔料インクの酸化劣化を抑える構造に変化することが分かりました。
この反応は、数ヶ月から一年かけてゆっくりと進行し、作品として熟成されて行きます。 フレスコジクレーは、普遍的な技法であるフレスコのメカニズムを使って、改めて代々受け継がれる「形ある写真作品づくり」を基本コンセプトとした現代のフレスコ画法ともいえます。

フレスコ画の技法とフレスコジクレー

FRESCO(新鮮)

フレスコは、ミケランジェロやラファエロなど、14~16世紀にイタリアで花開いたルネサンスの芸術家が用いた「漆喰」をベースにした絵画技法であり、壁に漆喰を塗り、その漆喰がまだ「FRESCO(新鮮)」である状態、つまり半硬化の間に水で溶いた顔料で描く技術です。
「FRESCO」とは、英語で「FRESH」、日本語では「新鮮な」を意味するイタリア語です。

16世紀前半に描かれたシスティーナ礼拝堂の天井画「最後の審判」などが有名で、漆喰が硬化する際に顔料を封じ込めるメカニズムのため約500年経過した現在でも色褪せることなく保存されています。

漆喰について詳しく知りたい方はこちらをクリック。

フレスコ画の技法

フレスコ画の技法は、先ず、描く画面を一日に描ける面積に区分します。 その上で、その日に描く区分に水で練った漆喰を左官の要領で塗りつけ、漆喰表面の水分が引いてから描き始めて、その日のうちに描き上げる技法です。
未硬化の漆喰の中に顔料が浸透し、その後、漆喰が硬化することで顔料が封じ込められるため、フレスコで使う絵の具は、繋ぎ材を含まない水と顔料から構成されています。

フレスコ画の技法

フレスコジクレーの原理

ルネッサンス芸術の結晶ともいえるフレスコを、最新技術で再び広く普及させたいという思いからフレスコジクレーは誕生しました。
何故、フレスコ画が描かれなくなったのか?
それは、画家が漆喰を塗り、その漆喰が硬化するまでの数時間以内に素早く描き上げる特殊な技法であったからです。この問題を解消するために、当社は、未硬化の漆喰をシート化する技術を開発し、このシートに最新の顔料系インクジェットプリンタでプリントすることで現代にフレスコを蘇らせることに成功しました。
すなわち、人が描くには時間が必要ですが、デジタルデータを元にしてインクジェットプリントすることで、従来のフレスコ画法の宿命であった描画時間の制約を無くした新世代のフレスコ画法といえるものです。

フレスコジクレーの原理

フレスコジクレーの画質

・写真家向けのインクジェット印刷シート
・美術館収蔵物の複製
・文化財の保存復元

写真を中心に、文化財、絵画の複製など、様々な分野でデジタルアーカイブ(デジタルデータで画像を保存する)が進んだ現代に於いて、時代の流れに左右されない普遍的な価値を持つ作品として「後世に残すこと」、「代々受け継がれること」の大切さを広めることに努めていきます。

商品紹介

フレスコジクレーの画質

フレスコジクレーType Rのテクスチャーは、50~300μサイズの不連続なサイズと形状を持った無数の突起物から出来ています。肉眼で微かに見えるレベルのテクスチャーを持つことから、印刷された画像は、リアリズム絵画にも見られる自然な奥行き感が得られます。
その他、姉妹品として、テクスチャーが肉眼では殆ど見えないサイズの突起物から出来ているフレスコジクレーType Sがあります。

フォトグラファー
製品情報
商品紹介

フォトグラファー

フォトグラファー

製品情報

フレスコジクレーは、漆喰をシート状に加工したインクジェット印刷シートです。
ルネッサンス芸術の結晶ともいえるフレスコを、漆喰のシートとし、顔料系インクジェットの最新技術を融合させることで、世界で始めてフレスコの工業化、即ち、インクジェットプリンターでフレスコを再現することが可能としました。
※フレスコジクレーは、「エプソン顔料系インクジェットプリンタ」に対応しています。

Variation

“ゆらぎ”のあるテクスチャーと光透過性を持つ『漆喰』が光を複雑に拡散し、リアリズム絵画にも見られる自然で奥行きのある画像が得られます。

Variation

肉眼で微かに見えるレベルのテクスチャーを持つことから、印刷された画像には、自然な奥行き感が得られ、風景画像などに最適です。
“R”は、roughの意味です。
印刷後、数ヶ月~1年かけてゆっくりと漆喰の硬化が進みます。
翌日には通常のハンドリングが可能です。

Variation

肉眼では殆ど見えないレベルのテクスチャーを持ち、スムースな画像が得られます。人肌の肌理(きめ)に近いテクスチャーを持つことから、ポートレートなど、繊細な質感表現に最適です。
“S”は、smoothの意味です。印刷後は、硬化が進んでType Rと同等の耐光性(耐紫外線)を発揮します。

漆喰とは?

何百年もの歳月を耐えることのできる湿式の建築材料、“漆喰”。

その主成分は、自然素材「石灰石」であり、漆喰の驚くべき耐久性をつくり出す源になって いるものです。
石灰石には、海中の炭酸カルシウムが沈殿することなどによりできるもの、生物の遺がいがそのまま石になったもの、大きく分けて二通りがあります。
永遠とも思える長い時間をかけて、ゆっくりと静かに、石灰石になっていくのです。
東洋屈指の大鍾乳洞「秋芳洞」を誇る、山口県の秋吉台は、その代表的な例で、130km2にわたって巨大な石灰岩が分布する日本で一番広いカルスト台地です。
まさに自然だけがなせる技といえるでしょう。
フレスコジクレーは、良質な秋吉台の石灰岩を原材料にしています。

漆喰とは?

秋吉台カルスト台地

漆喰は、このような石灰石を900~1000℃で焼成して生石灰をつくり、水と反応させて粉末化“消石灰”にしたものを、水、海草糊、スサなどと練り合わせて塗りつけ、硬化させていきます。
特に金ゴテを使った仕上げの端正な美しさは、日本人の美意識をも満足させる、素晴らしいものです。

秋吉台カルスト台地
フレスコジクレー
 TOP PAGE