フレスコグラフをより詳しく
“Fresco”技法により極めて高い保存性を実現
- 漆喰の壁に描く“Fresco”
- 13世紀末から16世紀中頃にかけて、
イタリアで盛んに行われた壁画技法です。
Fresco(フレスコ)は、英語の「Fresh」に該当し、
新鮮な(まだ固まっていない)漆喰の壁に描く技法が名称の由来です。
- 漆喰と水の化学反応を利用した高度な技法
- フレスコ画は、消石灰を主成分とした漆喰を塗った後、
漆喰表面の水分が乾くのを待って顔料絵の具による描写を開始し、
漆喰がまだ固まらない8時間以内に描き上げる高度な技量と
綿密な計画が必要となる絵画技法です。
- 鮮やかな発色と高い耐久性
- ミケランジェロの『最後の審判』の様に、フレスコ画は数百年にわたり
色あせる事が無く保存されています。
このことから極めて高い保存性がある技法と言えます。
- フレスコ画の化学反応
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- ①消石灰[Ca(OH2)]の上に塗られた顔料は、未硬化の漆喰に浸透し、絵の具層を形成します。
- ②その後、消石灰[Ca(OH2)]は、空気中のCO2と反応して、石灰石[CaCO3]に戻ります。
- ③生成される石灰石[CaCO3]よって、顔料絵の具が包含され、数百年に及ぶ保存性を発揮します。
- 最先端の技術により現代に蘇った“Fresco”技法
- 現代のプリント技術を使用する事により、フレスコ画最大の問題であった「描写時間」の問題を解決。
「フレスコグラフ」はフレスコ画の長所だけを取り入れることができた「現代のフレスコ技法」です。